【読みもの】ヤクルトのお姉さん

信号待ち、退屈な時間、次のルートを考える時間、いったいどれほどの時間を信号待ちで使っているのだろうか?そんなくだらない事を考えながら、今日も私は配達をしている。

雨の日だった。

何台もの車が通りすがるのを目にしながら、ふと横目をやった、

その時、、、

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ヤクルトのとっても綺麗なお姉さん

ヤクルトのとっても綺麗なお姉さんが盛大に転倒するのを目の前で目撃したのだった。

私はすかさずバイクを道路の脇に止め、ウーバックを置き歩み寄るのだが、

我先へと駆け寄るおっさんが2名、

私もおっさんには変わりがないのだが、向こう方は本物のおっさんだ。

「早い....」

思わず心の中でそう叫んでしまった。

夜も深ければ千鳥足になるであろうおっさんの俊敏な動きは、女性が困っていたら助けるもの、という社会的なレディーファースト精神なんかより、

ワンチャンあるかもしれない、そんな香りが漂って来た。

ヤクルトのお姉さんは、とっても綺麗だ。

舗装されたアスファルトの上には無数のヤクルトが転がり、3人のおっさんが必死になりながらヤクルトを拾い集める。

一つ、また一つと道路に転がるヤクルトが元あった箱に収まっていく、容器が潰れてしまった物もあれば、なんのダメージもないヤクルトもあった。

ヤクルトのお姉さんは申し訳なさそうな表情をしながらも、内心は恥ずかしいに決まっている。

全てのヤクルトを拾い終えると、何事もなかったかのように、私とサラリーマン風のおっさんは自分の車、バイクへと戻り、エンジンをかけた。

大丈夫かな、という気持ちでとっても綺麗なヤクルトのお姉さんをチラ見すると、一人のおっさんが、事は全て万事終わっているのに、ゆるりゆるりと歩み寄るのだった。

信号は青に変わった。

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