
Uber Eatsな日常
アプリの音が鳴る。
「マクドナルドだ」
リクエストが鳴った瞬間、私は有無を言わず依頼を受けた。
マックは短距離案件ばかりで割り良い、ピンの位置を見て瞬時に判断できるまでに、いつの間にかなってしまっていた。
そのままお店へ急行し、いつもの流れでオーダー番号告げた、
その横目で見たお客様の名前、
何か、あるかもしれない...
輪を作るお兄さん
マクドナルドの掲示板を確認すると、まだお料理はできていない、注文量は実に少なく、配送料の方が高くなりそうな案件であった。
お客様の名前をもう一度しっかりと確認してみる、
イナズマが走っているではないか!?
それも濁点付きだ。
文字という文字がどこにも存在せず、記号のみであしらわれた名前は、どこか悲しそうである。
この時点で、爆弾である確率は50%、あとは配達先を確認すればあらかた判断がつく。
配達先を確認し、これは輪ができるてるかもしれない、っと思った。
その案件には番地がなく、町名もない、横浜市に届けて欲しいという内容のもの。
「横浜市のどこにいるのだどうか?」
もしいるなら、是非とも届けてみたい。お兄さん案件だ。
ピンの位置までいくと、先に到着した配達員たちが笑っている。
私もまた、笑いながらその輪の中へと入る。
街中に突如としてできあがるUber Eats配達員たちの輪、
全てを一瞬で理解し、出るはずのない電話を掛け、10分タイマーを起動させた。
Uber Eats配達員が困り果ててしまうのはここからだ、
この受取手のいない料理をどうのように処理するのか?
食べてしまって良い。そういうルールだが、そう簡単に配達の途中で食べれるハズもない。
ましてやここは立派な公共の場。
ダメと言うことはないであろうが、やっぱりそれなりの所までは移動せねばならない。
一人がマックの分配を始める。
せっかくだから休憩でもしながらマックを食べるよと言う者と、早く次の配達へ向かいたい者同士のWINWINな取引だ。
しかし、輪の中ではWinWinであっても、輪の外ではWinとLoseがいる、それが実態。
私は、中に入っていたマック全てを戦友に渡し、あいウーバックの中をカラにした。
そうこうしている間に、また一人、輪の中へとやってくる者がいるではないか...